2009年06月18日

製薬会社への転職の現状 (3)

製薬企業への医師の転職は、結論から申し上げるならば、少なくとも求人枠という点では経済情勢の影響を受けていません。

製薬会社には、その気になれば正社員数を大きく減らすことができる「削り代」があります。

責任医師や分担医師として製薬会社の治験に関わった経験があるドクターならば、治験のデータを収集にやってきたモニターの出す名刺が、スポンサーである製薬会社ではなく、CRO(Contract Research Organization,Clinical Research Organization:受託臨床試験機関)のそれだった、という経験をお持ちの方もおられるのではないでしょうか。
最近では治験の実施計画書(いわゆるプロトコル)の翻訳や作成も、外部のメディカルライターの手によるものである場合が少なくありません。

このように、治験を中心とした開発の領域では外注に回すことができる業務が多いため、昨今は、それらの仕事を担当している正社員の数を減らして組織のスリム化を図る動きがいずこの製薬会社でも活発になっています(それをすることで治験のデータの質が保たれるのかどうかはまた別の議論になります)。

まだCROほど一般的にはなっていませんが、MR業務を受注し、医療用医薬品の販売を請け負う、CSO(Contract Sales Organization:医薬品販売業務受託機関)と呼ばれる業者も少しずつですがシェアを伸ばしています。

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薬の種(シード)となる候補物質をベンチャー企業から買い取り、治験はCROに丸投げし、承認取得後はCSOに販売を任せる、といった形で、最少限の自社社員のみで商売を行なうことも不可能ではないわけで、実際欧米ではそれに近いことを行なっている製薬会社も少なくありません。

日本では他国に比べると製薬会社の業務の外注化比率が低いので、その気になればかなりの人件費削減が可能であるということになります。
リストラは日本の風土に合わない、と長らく言われてきましたが、昨今の経済情勢と業界独特の事情とが相俟って、ここ数年で大規模なリストラを行なう企業が現れてきています。
リストラを行なわないまでも、新入社員の採用を控えることで人員をひそかに自然減させている会社もあるようです。

このような状況下で、製薬会社における医師社員のポストは何故に安泰と言えるのでしょうか?


→製薬会社への転職の現状 (4)へ


job_change_doctor at 21:48コメント(2)トラックバック(0)応募  この記事をクリップ!

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コメント一覧

1. Posted by tac   2009年06月25日 14:10
石動先生はじめまして。
医師からの製薬企業への転職に興味を持ち、拝読させていただいています。
現在の、不況+新薬の目処が立てにくい+特許切れによるジェネリックの参入という厳しい状況と思われますので、転職を躊躇する所もあります。何故医師社員のポストが安泰といえるのか興味があります。
続報を楽しみにしています。
2. Posted by きょん   2009年07月23日 15:20
こんにちわ!
製薬会社への転職を考えており、このサイトを見つけました。質問があるのですが、製薬会社で働くには何年程の医師として働いた経験がひつようですか?私は臨床経験を終えたばかりで2年しかありません。
なお、製薬会社でやりたいことはマーケティングや企業戦略等をやりたいと思っています。
これらの役職は医師ではほぼ無理でしょうか??
もしわかりましたら教えて頂けたら幸いです。

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自己紹介
石動(いするぎ)アキ

外資系製薬企業勤務。部長待遇。♂。

大学病院とその関連病院で臨床中心に仕事してましたが、転機が訪れ、転職を果たして5年目に入ります。

臨床開発、メディカル・マーケティング、安全性管理と経験を積み、2007年からは国際共同治験のコーディネートがメインの仕事になってましたが、2008年4月に4回目の転職を果たしました。

愛妻と愛息2人との4人暮らし(+猫2匹)。

【民間医局】ドクターエージェンシーシステム
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