2009年09月15日

製薬会社への転職の現状 (4)

製薬会社における医師社員のポストは、この不況下においても何故に安泰と言えるのか?

端的に申し上げると、その答は、外資系製薬企業の日本法人の大多数で、社員としての医師の数が足りていないからです。

他のセクションでも書きましたが、欧米の製薬会社では、研究開発のみならず、マーケティングやセールス、ひいてはシニアマネジメント(日本企業で言う重役)に至るまで、少なからぬポストを医師社員が占めています。

特に研究開発に関わる医師の数は日本に比べて多く、疾患領域別・開発段階別に専門分化したエキスパートがひしめいています。

従来は日本法人では非医師社員が本国のMD(メディカルドクター)社員のカウンターパートとしての役割を果たしてきました。
医学的専門知識や臨床経験を持たない社員だけで治験が行うことができていた時代はそれでそれで十分だったのです。

しかし、製薬企業が、日本独特の規制に縛られつつも守られていた時代が終わりを告げたICH(日米EU医薬品規制調和国際会議、1990年発足)以降、日本法人もICHガイドラインに定められた国際標準を満たす、科学的水準の高い治験を実施することを規制当局から要求されるようになりました。

近年になって日本法人で日本人医師社員が数を増しつつある背景にはそういった国際的な要因があります。
年を追うごとに高くなる治験の科学性・妥当性のハードルをクリアするために、製薬企業は日本の臨床実情を知る人材を治験スタッフとして抱える必要に迫られたのです。

一時期は医療機関に勤務する医師を非常勤のアドバイザーとして雇用する形が多かったようですが、現在では外資系企業を中心に、常勤の社員として医師を雇う形が主流になりつつあります。

しかしながら、その数はまだまだ十分でないのです。

→製薬会社への転職の現状 (5)へ

job_change_doctor at 14:04コメント(1)トラックバック(0)応募  この記事をクリップ!

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コメント一覧

1. Posted by pdm   2009年10月09日 23:11
こんにちわ。
製薬会社におけるMDの仕事に興味を持っていますpdmと申します。
情報源が少ないので、いつも興味を持って拝見させて頂いております。
私の場合は6年程度臨床経験がありますが、その後、大学院で疫学を勉強しております。
臨床経験と疫学という専門性を武器に・・・、と考えているのですが、先生から見て疫学と言う専門性は製薬会社に就職する上でadvantageとなりうるでしょうか。
ご教示、よろしくお願いします。

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自己紹介
石動(いするぎ)アキ

外資系製薬企業勤務。部長待遇。♂。

大学病院とその関連病院で臨床中心に仕事してましたが、転機が訪れ、転職を果たして5年目に入ります。

臨床開発、メディカル・マーケティング、安全性管理と経験を積み、2007年からは国際共同治験のコーディネートがメインの仕事になってましたが、2008年4月に4回目の転職を果たしました。

愛妻と愛息2人との4人暮らし(+猫2匹)。

【民間医局】ドクターエージェンシーシステム
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