2009年10月12日
製薬会社への転職の現状 (7)
それとも、難しくなっているのでしょうか?
はぐらかすようですが、答は、イエスにしてノーでもあります。
まず、一般的な傾向として、医師の製薬会社への転職のハードルは上がっています。
僕が転職した6年前と比べても、製薬会社が医師社員に対して求めるものは大きくなっています。
例えば、6年前の僕が、いま製薬企業へ転職をしようとしたとすれば、選択肢はかなり限られることになると思います。
医学的な専門知識はもとより、治験に関わる法律や不文律への理解、欧米の本社とやりとりするための英語力、国内外の社員と良好な関係を保つためのコミュニケーション能力(これはどうやら、製薬会社の人事部からは、医師という職能集団の弱点であると見做されているような気が、個人的にはしています)、市場の動向、開発とマーケティングを結ぶ戦略的思考、強いリーダーシップなどが要求されます。
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少し前までは、これらの大半を、入社してから修得させる余裕が、製薬会社の側にありました。
例えば、留学経験があるので英語が話せ、治験にも責任医師として関わった経験があれば、あとは会社に入ってから半年くらいかけて身につけてもらえばよい、というスタンスで製薬会社は医師社員の選考を行なっていました。
しかし最近は不景気も手伝っているのか、製薬会社側が(医師社員に限らず)即戦力を採りたがる傾向が強いようです。
育成期間を設ける余裕がないということなのかもしれませんが、入社後すぐに「動ける」ことを転職者は求められます。
製薬会社にとって手っ取り早いのは、ヘッドハンティング――すなわち、既に製薬会社で働いている医師社員を自分の会社に引き抜くことです。
なので、いま現在製薬業界に身をおいていて、一定の経験がある医師社員にはちらほらと転職エージェントからのオファーが寄せられたりもします。
製薬業界での経験がない医師を採用する場合は、十分な臨床経験があって、かつ会社組織に馴染めるだけの柔軟性が残っている年齢域である30代半ばの、大学病院で勤務している医師を採用することが多いようです。
この2〜3年は、教授とまではいきませんが、大学病院の助教授が製薬会社に移るケースがちらほらと見られるようにもなっています。
このような情勢下では、2年間の臨床研修を終えたばかりのきょんさんのようなポジションのドクターが製薬会社に移ることは非常に難しいといわざるをえません。
欧米だとまた事情は違ってくるのですが、日本では製薬会社に勤める医師には、大雑把に言って専門医や認定医を取得している程度の経験年数と専門性がほぼ必須です。
非医師社員と比較した場合の医師社員のアドバンテージは、第一には、本当のマーケットを知っている=患者を薬で治療したことがあるという点に尽きます。その部分が熟していないままに「やりたいことはマーケティングや企業戦略等」だとジョブ・インタビューで語っても、「もう少し臨床経験を積まれてから是非またチャレンジしてください」というコメントが返ってくるであろうことは自明です。
なので、僕がきょんさんにオプション1として勧めるのは、あと5年ばかり臨床経験を積んで、できれば留学し(留学しなくてもTOEICで750点以上の英語力は身につけましょう)、その後に転職を再考することです。
オプション2は――実はこれがもっともスマートなやりかたではないかとも思うのですが、MBA(Master of Business Administration:経営学修士)をとってしまうことです。
たまさか最近「金融資本主義を超えて―僕のハーバードMBA留学記」
という本を読んだのですが、この中にも、ハーバードのビジネススクールでMBAをとるために留学している複数の医師が登場します。
本国で働く医師社員と名刺交換をすると「MD & MBA」という肩書きをもっている人は少なくありません。これは外資系製薬会社における黄金のコンビネーションなので、「医学的知識をもつマーケッター」として採用される可能性は飛躍的に高まります。
海外のビジネススクールに留学すれば語学の修得も兼ねられるので一石二鳥ですが、諸事情でそれが難しい場合は国内でMBAを取得することもできます(これについては「間違いだらけのMBA」をご一読することをお勧めします)。
ともあれ、単独にせよ複数にせよ専門性を身につけたうえで、さらに組織の中核として機能することを、製薬会社の医師社員はまずます求められていくことになるでしょう。
→製薬会社への転職の現状 (8)へ
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少し前までは、これらの大半を、入社してから修得させる余裕が、製薬会社の側にありました。
例えば、留学経験があるので英語が話せ、治験にも責任医師として関わった経験があれば、あとは会社に入ってから半年くらいかけて身につけてもらえばよい、というスタンスで製薬会社は医師社員の選考を行なっていました。
しかし最近は不景気も手伝っているのか、製薬会社側が(医師社員に限らず)即戦力を採りたがる傾向が強いようです。
育成期間を設ける余裕がないということなのかもしれませんが、入社後すぐに「動ける」ことを転職者は求められます。
製薬会社にとって手っ取り早いのは、ヘッドハンティング――すなわち、既に製薬会社で働いている医師社員を自分の会社に引き抜くことです。
なので、いま現在製薬業界に身をおいていて、一定の経験がある医師社員にはちらほらと転職エージェントからのオファーが寄せられたりもします。
製薬業界での経験がない医師を採用する場合は、十分な臨床経験があって、かつ会社組織に馴染めるだけの柔軟性が残っている年齢域である30代半ばの、大学病院で勤務している医師を採用することが多いようです。
この2〜3年は、教授とまではいきませんが、大学病院の助教授が製薬会社に移るケースがちらほらと見られるようにもなっています。
このような情勢下では、2年間の臨床研修を終えたばかりのきょんさんのようなポジションのドクターが製薬会社に移ることは非常に難しいといわざるをえません。
欧米だとまた事情は違ってくるのですが、日本では製薬会社に勤める医師には、大雑把に言って専門医や認定医を取得している程度の経験年数と専門性がほぼ必須です。
非医師社員と比較した場合の医師社員のアドバンテージは、第一には、本当のマーケットを知っている=患者を薬で治療したことがあるという点に尽きます。その部分が熟していないままに「やりたいことはマーケティングや企業戦略等」だとジョブ・インタビューで語っても、「もう少し臨床経験を積まれてから是非またチャレンジしてください」というコメントが返ってくるであろうことは自明です。
なので、僕がきょんさんにオプション1として勧めるのは、あと5年ばかり臨床経験を積んで、できれば留学し(留学しなくてもTOEICで750点以上の英語力は身につけましょう)、その後に転職を再考することです。
オプション2は――実はこれがもっともスマートなやりかたではないかとも思うのですが、MBA(Master of Business Administration:経営学修士)をとってしまうことです。
たまさか最近「金融資本主義を超えて―僕のハーバードMBA留学記」
本国で働く医師社員と名刺交換をすると「MD & MBA」という肩書きをもっている人は少なくありません。これは外資系製薬会社における黄金のコンビネーションなので、「医学的知識をもつマーケッター」として採用される可能性は飛躍的に高まります。
海外のビジネススクールに留学すれば語学の修得も兼ねられるので一石二鳥ですが、諸事情でそれが難しい場合は国内でMBAを取得することもできます(これについては「間違いだらけのMBA」をご一読することをお勧めします)。
ともあれ、単独にせよ複数にせよ専門性を身につけたうえで、さらに組織の中核として機能することを、製薬会社の医師社員はまずます求められていくことになるでしょう。
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