2010年02月12日

メガファーマ vs スペシャリティファーマ (3):グラクソ・スミスクライン、抗うつ薬市場から撤退?

少し間が空きましたが、その間に、テーマ(メガファーマ vs スペシャリティファーマ)に沿うニュースが飛び込んできたので、引き合いに出させていただくことにします。

2010年2月5日付けのダウ・ジョーンズの記事です。
タイトルは「Glaxo to Shift Away From Antidepressant Research」(原文で全文が読めるキャッシュはこちら)。

要約すると――



グラクソ・スミスクラインは4日、抗うつ剤の研究をやめ、より価値ある治療薬の開発が可能と同社が判断する疾病領域に注力していくことを明らかにした。売れ筋の抗うつ剤をここ20年開発してきたグラクソが方針転換する。

同社の利益は、ピーク時には年間売上高で数十億ドルを創出した「パキシル」や「ウェルブトリン」などの抗うつ剤に長いことけん引されてきた。

しかし低価格の後発版がこれらの売上高に食い込み、グラクソはさらなる投資は賢明でないと判断。アンドリュー・ウィティー最高経営責任者(CEO)は、人員削減や抗うつ剤研究の関連投資を削減すると付け加えた。

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抗うつ剤の臨床試験は、すべての疾患のうちで「最も高価で最大のリスク」とした。製薬会社は、治験薬が効くかどうかは極めて大規模な試験の終わりまでわからないことが多いためだ。また、うつ病では患者の症状の改善が、明確な血液検査や生物学的尺度ではなく、患者自身の主観的気分の調査で評価されるため、抗うつ剤の効き目を明確に示すことも困難だ。

保険会社や薬剤給付管理(PBM)が自身が負担する薬剤費用に明確な価値を見いだしたいという時代に、これは障害だ。薬剤費用を負担する業者は、「自らの資源を投じる一方で、それに見合う大きな見返りを求めている」とウィティーCEOは指摘。グラクソが疼痛治療薬の研究をやめるのも同様の理由からだとし……



パキシルといえば、今やうつ病治療薬の代名詞であり、精神科医ならずとも処方したことがある薬剤ではないでしょうか。
記事中にもあるように、グラクソ・スミスクライン(GSK)社の屋台骨を支えてきた薬でもあります。

長きに渡って抗うつ薬で潤ってきたGSKが、こうもあっさりとその市場からの撤退を決める……これがメガファーマの強みであるとも言えます。

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自己紹介
石動(いするぎ)アキ

外資系製薬企業勤務。部長待遇。♂。

大学病院とその関連病院で臨床中心に仕事してましたが、転機が訪れ、転職を果たして5年目に入ります。

臨床開発、メディカル・マーケティング、安全性管理と経験を積み、2007年からは国際共同治験のコーディネートがメインの仕事になってましたが、2008年4月に4回目の転職を果たしました。

愛妻と愛息2人との4人暮らし(+猫2匹)。

【民間医局】ドクターエージェンシーシステム
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